トヨタ ハイエース・レジアスエースのリフトについて
先日、日産のチェアキャブ・リフターシリーズについてお話ししましたが、今回はトヨタのリフトタイプ、ハイエース・レジアスエースについてです。
ハイエースとレジアスエースは販売店が違うだけで車自体は全く同じです。名前だけが違う兄弟車です。※文中では以後ハイエースで統一します。
福祉装置ももちろん同じで、日産のチェアキャブ・リフターシリーズと同様、主に法人向けの車です。
そのハイエースのリフトですが、先日こんなことがありました。
光山自動車ではご購入いただいたお客さん(主に法人様)のところにお伺いして、車の状態をチェックさせていただいています。簡単なチェックですが、エンジンオイル、ラジエター冷却水、そして福祉装置の動作確認等々。
今回は奈良で障がいを持つ人たちへのサポート事業を展開している介護施設さんにお伺いしました。ちょうど自宅にお送りする時間だったので福祉車両に利用者さんたちが乗り込んでいるところでした。タイミングが悪く、また後日訪問する旨を伝えて帰ろうかと思ったんですが、この日は何か雰囲気が違っていました。最初は忙しいだけだと思ったんですが、スタッフさん、理事長さんが慌ただしくというかパニックに近い状態。お話をお聞きするとハイエースのリフトが動かなくなったとのこと。上下は問題ないものの、車内にリフトがスライドする動作が全く動きませんでした。朝は動いていたのが急に動かなくなっていました。ハイエースにはリフトを手動操作で動かすことができるんですが、その方法でも全くダメな状態でした。その場で色々と試してみましたが全く効果がなかったため一旦お預かりすることに。
帰ってからリフトをバラし、原因究明の結果、判明したのはリフトを車内で前後させるギアモーターが破損していました。このモーターが破損すると残念ながら交換するしか手はありません。動きが鈍くなるなど、故障を予想できる症状はあるものの、モーターは誰にでも取り外して状態を確認できる場所にあるわけではないので、日常の使用の中で明確に不具合が予想するのは難しいと言えます。
↑一旦リフトを外してチェックです。
↑原因がはっきりするまでリフトの全ての電装箇所をチェックします。
↑判明したのがこの中にあるリフトをスライドさせるためのギアモーターの不具合でした。
↑これがギアモーターです。中にある銅線が破損しています。(右側の銅線の先端)
このあと、モーターを新品のものと交換し、リフトは復活しました。
リフトのスライドの動きの速度が遅くなっている場合はバッテリーの劣化も考えられますが、今回の場合のようにモーターの故障が原因となっていることもありますので、症状が出ている場合はすぐに修理に出すようにしてください。早めに修理といっても交換ということになりますが、送迎中に動かなくなってしまうと大変です。
故障しないことが一番なのですが、永遠に壊れない機械はありません。買ったばかりだとか車検がおわったばかりだとかは関係なく、壊れるときは突然の場合もあります。おかしいなと思ったらご遠慮なくご相談くださいね。