ハイエースのリフト修理
ハイエースの福祉車両をお使いの方から車いす乗降用のリフトが動かないとのご相談がありました。
上下は問題なく動くけどスライドして車内に入るときにガタガタと揺れて止まってしまうとのことでした。
ハイエースの福祉車両の修理で今までにも何度か修理対応している不具合です。
これはリフト内の部品が破損しているのが原因となっていることが多いです。
さっそくお預かりして調べたところやはりそうでした。
ハイエースのリフトはベアリングと呼ばれるローラーが何か所か付いており、それが滑車のように動くことでリフトが滑らかに前後にスライドします。
そのベアリング、長年の使用や、使用頻度によって外側の樹脂部分が割れてしまうことがあり、今回も割れていたり、ひび割れが発生していました。
←上が新品のベアリング。下が割れて破損したベアリング。
←これもわかりにくいですが大きくひび割れています。
交換するとリフトは問題なく動きました。
ところでこのベアリング、割れてから気づくことが多いというやっかいな部品なんです。
ひびが入った時点で交換できればいいんですが、ベアリングの全部は外側から見えずリフトをばらさないとひびの確認ができません。
リフトをばらすと作業工賃が発生するので、ばらして点検するならそのときに交換するほうがいいです。
あと、リフトにはベアリングだけでなくスライドモーターという部品があり、このモーターの劣化でもリフトが止まることがあります。
スライドモーターは4年での交換をメーカーは推奨しています。ベアリングも交換はこのタイミングで実施するのもいいかもしれません。
※あくまでも目安です。4年経過でもモーターの劣化やベアリングの破損がないこともあります。
※もしリフトの作動時にガタガタと振動があるようなら止まってしまう前に交換した方がいいです。すでにベアリングが割れている可能性があります。
福祉装置は車検の項目には関係ないので点検せずに使い続ける人が多いです。
壊れてから交換するのも選択肢の一つかなと思いますが、運悪く人が乗っているときに故障してストップ!なんてことも十分考えられます。
見えているベアリングを目視で状況を確認することは可能ですが、見えているベアリングは大丈夫で、見えていないベアリングが破損していることもあります。
できれば車検を2回受ける中で1回はモーター、ベアリングの交換を検討するのがベストです。