スイングアームリフト
スイングアームリフトというのはハイエース、レジアスエースの福祉車両の車いす用リフトの名前です。
よくできたリフトで病院、施設、介護タクシーで人気が高く街中でもよく見かけます。
海外でも人気が高いようで、それに伴い中古車市場はかなり高値で推移しています。
令和に入ってからの走行距離が少なく、程度の良い車両は新車価格を越えた価格で取引されることもあります。
今回はそんなスイングアームリフトの故障に関するお話です。
先日、リフトが動かないとのSOSの電話が入りました。
水平にスライドする時は問題なく、上下に動く、スイングする時に途中で止まってしまうとのこと。
今までは水平移動のスライド時にガタガタと揺れたり、動かないという事例はありました。
これはリフトを水平にスライドさせるガイドローラーが欠けたり、割れたりでリフトが安定しないというのが一番多い理由です。
しかし今回は上下にスイングするときの不具合です。考えられるのは油圧ポンプの故障です。ポンプ内に多く空気がは入り込みすぎていたり、オイル漏れ等でオイルの量が減ってしまっていることでリフトが満足に動かないのではと考えられました。実際、オイルの量は減っており、ほぼ原因は特定できたかに見えました。
しかし、オイルを追加して様子を見てもポンプからオイルが漏れだすような状態にはなりません。でも、減っているということはどこかで漏れているということ。
作動時の異音の特定の必要もあり、バラシて調べていくとシリンダーの先からオイルがにじみ出しているのを発見!
赤い丸で囲ったところがシリンダーです。
↑わかりにくいですがオイルがにじみ出ています。
交換して何度もテストをしてみると異音はなくなりオイルの量も減ることはなく原因が特定できました!
このハイエースは令和1年式で距離は3万キロ以下の車でした。まだ部品が壊れ始めるような年式、状態ではないと思いますがやはり機械というのはそういったことは関係なく壊れることがあるというのがよくわかりました。
これはわかっていることとはいえやはり先入観というのは出てしまうものなんですね。
まだ新しいから大丈夫だろう、先日点検してもらったから大丈夫だろうという先入観は禁物です。
もし愛車におかしなところがあればすぐにご連絡くださいね。